指揮者の心得



    指揮者が火災現場で指揮を執るにあたり、心掛ける重要なことは何でしょうか。

    団員の安全を守ることと、状況を把握し適切な指示(具体的には安定した水量の確保や延焼防止)

    を出すことではないかと思います。

    そのためには落ち着いて、全体を見回す余裕が必要です。

    団員の安全を守るには、前章の「火災現場の危険要因」を参照願います。



    まず、火点への安定した水の供給をするためには、まず全体の状況を知る必要があります。

    「火点一巡の原則」というものがあり、これは現場に到着した指揮者は火点の周りをグルッと回り状況を把握すべきというものです。

    実際に一巡出来ない場合もあると思われますが、とにかく落ち着いて周りをよく見るよう心掛けましょう。

    見るべきポイントは火の勢い・隣接建物・風向き・危険箇所・放水状況等です。

    また、各分団、各支部からポンプの位置、水利部署(自然水利または人工水利)、ホースの本数等の状況を報告させ、

    必要に応じて、配置を換えることも必要です。

    例えば、繋いだホースの本数が多すぎたり、高低差があるため、火点に十分な水量が確保できない場合の中継の指示、

    また火勢に対し部署した人工水利の水が十分でない場合の、自然水利への水利部署の切替え指示等様々な場面が想定されます。



    しかし、急にこのような場面になっても、なかなか思うように指示は出せないと思います。

    そこで、このような訓練が有効かと思います。

    まず、地図を広げて火点を決め、仮にそこで火災が起こった場合にどのような体制が出来るかをイメージします。

    当然、複数の消防車が駆けつけ、複数の水利に付け、場合によっては中継送水をする事となります。

    そこでどのような問題が発生し、どのような指揮を執るか考えます。

    一般人・団員に対しての危険箇所、延焼の危険性、水利部署は適切かなど様々な状況が想定されます。

    また、注意事項や指揮手順等をマニュアル化することにより、ある程度の効果は得られると思います。



    いくら優秀な指揮者であっても一人では何も出来ません。

    日頃より団員の教育を心掛けておけば、実際の火災の現場において大変心強いと思います。

    その場その場の細かい指示を出せる班長や部長を育てることが、全局的な指示を行う上で大切ではないかと思います。

    また、現場では消防署とのスムーズな連携や意思疎通も大変重要です。